中欧4カ国周遊ツアー最終回|帰国とツアー全体の振り返り・一人参加ツアーの魅力

ツアー旅行体験談

第6話では、シリーズ最大の見せ場、聖ヴィート大聖堂でのミュシャのステンドグラスとの感動の対面をお届けしました。そしていよいよ本記事、中欧4カ国周遊ツアー・シリーズ最終回となります。2017年5月26日(金)にスタートしたこの旅も、5月31日(水)の帰国をもって、全6日間の日程を終えました。

この最終回では、プラハからミュンヘン経由で羽田へ戻る帰国の旅路と、そして6日間全体を振り返って、中欧4カ国それぞれの魅力、旅で心に残った場所、一人参加・添乗員付きツアーで感じた発見、そしてこれから中欧を旅する方への実用的なアドバイスまで、私の実体験からお伝えしたいことを丁寧にまとめていきます。「行きたいのに、一歩踏み出せない」――そんな方の背中を、少しでも押せるような回になれば嬉しいです。

  1. プラハでの最後の朝|ホテルの朝食と出発
    1. 最後のホテル朝食
    2. プラハとお別れ、いよいよ空港へ
  2. プラハ空港からミュンヘン経由で羽田へ|帰国の旅路
    1. 添乗員さんに助けられる出国手続き
    2. プラハ→ミュンヘン便|Milkaチョコレートの軽食
    3. ミュンヘン→羽田便|和食メニューで日本を実感
    4. 機内で味わう最後のヨーロッパの余韻
  3. 6日目・羽田到着|6日間の旅を終えて
    1. 羽田空港到着、そして解散
    2. 家に帰り着いて、旅の余韻に浸る
  4. 【総括】中欧4カ国を巡って感じたこと
    1. ハンガリー|ドナウの真珠・ブダペストの華やぎ
    2. スロバキア|首都ブラチスラバのコンパクトな魅力
    3. オーストリア|芸術と歴史の都・ウィーンの奥深さ
    4. チェコ|絵本のチェスキークルムロフとミュシャのプラハ
    5. 4カ国それぞれに、異なる魅力があった
  5. 【思い出ベスト】シリーズを振り返って心に残った場所
    1. 【1位】聖ヴィート大聖堂のミュシャのステンドグラス
    2. シェーンブルン宮殿と「ベルグルの間」特別入場
    3. ウィーン|芸術と歴史の都、もう一度訪れたい街
    4. チェスキークルムロフ|絵本の街に泊まる贅沢
    5. プラハ|街歩きそのものが最高の楽しみ
  6. 【一人参加ツアーの魅力】添乗員付きツアーで感じたこと
    1. 添乗員さんの存在は、想像以上に心強い
    2. 個室利用で、プライバシーはしっかり確保
    3. 「一人だから寂しい」は、実はほとんど感じない
    4. 効率よく「王道の観光」を楽しめる
  7. 【アドバイス】タイトスケジュールを楽しむ人・じっくり回りたい人へ
    1. 正直な感想|6日間で4カ国は、確かにタイトスケジュール
    2. 効率よく「王道」を巡りたい方へ|周遊ツアーは強い味方
    3. じっくり回りたい方へ|個人手配や自由時間の多いツアーを
    4. 私のおすすめは「まず周遊、次に深堀り」
  8. まとめ|シリーズ全7話にお付き合いいただき、ありがとうございました
    1. 中欧4カ国周遊ツアー シリーズ全7話

プラハでの最後の朝|ホテルの朝食と出発

2017年5月30日(火)、ツアー5日目の朝。世界遺産プラハで迎える最後の朝が、静かに始まりました。AMBASSADOR ZLATA HUSAの部屋で目を覚まし、窓から見える早朝のヴァーツラフ広場の雰囲気に、「あぁ、この街ともお別れなんだな」という名残惜しさが自然と胸に広がりました。

最後のホテル朝食

旅を締めくくる豊かな朝食。渦巻きパンケーキが可愛らしいアクセントに

荷物を整えて、ホテルのレストランで朝食をいただきます。旅の最後の朝食は、いつも少し感慨深いもの。もう明日からは日本の食卓に戻ることを思うと、目の前のヨーロッパ風の朝食が、なんだかいつもより特別なものに感じられます。

AMBASSADOR ZLATA HUSAの朝食は、旅を締めくくるにふさわしい豊かな内容でした。温かいプレートには、こんがり焼き上げられたベーコンと目玉焼き、ウィンナーソーセージ、そしてチェコらしい小さなパンケーキ。渦巻き模様の焼き目がついた素朴なパンケーキは、なんとも可愛らしい仕上がりです。

コールドプレートには、ゴマがまぶされたパン、エメンタールチーズ、ハム、トマト、ミニパスタサラダ、そしてバター。副菜には、フルーツ入りのヨーグルトとオレンジジュース。朝食のバラエティが本当に豊かで、「これがヨーロッパの朝食の醍醐味だなぁ」と、しみじみ味わいながらいただきました。

ゆっくり味わいながら、この6日間で毎朝いただいてきた各ホテルの朝食のことを思い出しました。ブダペストの盛りだくさんなビュッフェ、ウィーンのJulius Meinlのマグカップとカイザーゼンメル、チェスキークルムロフのプチホテルらしい素朴な一皿――それぞれの街で出会った朝の食卓が、旅の記憶の一部として、しっかり心に刻まれているのに気づきます。

プラハとお別れ、いよいよ空港へ

朝食を終えて、部屋に戻ってスーツケースを最後に確認。ザッハトルテ、ミュシャのしおり、そして各地で買い集めた小さな旅の記念品――どれもが大切な思い出です。

集合時間にロビーへ集まり、添乗員さんに促されてバスに乗り込みます。ホテルを出発して、プラハの街並みを車窓に見ながら、空港へと向かいます。ヴルタヴァ川、プラハ城、そして街のあちこちに顔を覗かせる塔――「100塔の街」の景色が、車窓から少しずつ流れていく感覚が、旅の終わりを実感させてくれました。

「またいつか、必ずこの街に戻ってくる」――ミュシャの作品巡り、そしてまだ見ていないプラハの奥深い魅力へと、次の旅の目標を胸に刻みながら、私はプラハに別れを告げました。

プラハ空港からミュンヘン経由で羽田へ|帰国の旅路

プラハ市街地から空港までは、およそ30分ほど。バスの窓から流れていく街の風景を眺めながら、私は心の中で「ありがとう、プラハ」と静かに感謝を伝えました。バスはヴァーツラフ・ハヴェル・プラハ国際空港(Letiště Václava Havla Praha)に到着。ここから、いよいよ日本への長い帰路が始まります。

添乗員さんに助けられる出国手続き

プラハ空港でのチェックイン、そして出国手続き。海外の空港での一連の手続きは、慣れない方にとってはドキドキするものですが、そこはやはり添乗員さん付きツアーの安心感。何をどこで、どの順番で行けばよいか、添乗員さんがきちんと案内してくださるので、迷うことなくスムーズに進んでいきました。

「海外での空港手続きが不安」という理由で海外旅行を諦めている方には、添乗員付きツアーは特におすすめしたい選択肢だなと、この帰国日に改めて実感しました。

プラハ→ミュンヘン便|Milkaチョコレートの軽食

短距離便の軽食は、ヨーロッパを代表するチョコレートブランドMilka

帰りの飛行機も、往路と同じくルフトハンザ航空。まずはプラハからミュンヘンまで、1時間ほどの短い国内路線のようなフライトです。窓の外の景色が「あぁ、プラハとお別れなんだ」という実感を、より強く感じさせてくれました。

短いフライトでも、CAさんが軽食のサービスをしてくれます。この便でいただいたのは、なんとMilka(ミルカ)のアルペンミルクチョコレート! 紫色のパッケージに、可愛い牛のイラストが描かれた、ヨーロッパを代表するお菓子ブランドです。日本でも輸入品として見かけるMilkaを、機内で本場のヨーロッパスタイルでいただく――なんとも小さな幸せなひとときでした。

ミュンヘン→羽田便|和食メニューで日本を実感

ミュンヘン空港での乗り継ぎを経て、いよいよ羽田行きの長距離便へ。約11時間の空の旅、機内で夜を過ごしながら、日本へと向かいます。

ドイツ系航空会社ならではのプレッツェル。塩気の効いた素朴な味わい

離陸後しばらくして提供されたのが、ドイツらしいプレッツェルとコーラのセット。ルフトハンザ航空のマークが入った紙袋にプレッツェルが入っていて、これぞドイツ系航空会社ならではの気の利いたサービス。塩気の効いたプレッツェルをつまみながら、いよいよ日本への長旅が本格的に始まったのを実感しました。

まさかの和食メニュー。「日本の味だなぁ」としみじみ味わった一皿

そしてメインの機内食が運ばれてきたとき、思わず「わぁ!」と声を上げてしまいました。お寿司(巻き寿司と握り寿司)、そして牛丼風のご飯もの、サラダ、フルーツ、パン、コーヒーという、なんとも豪華な和洋折衷のメニュー! 6日間のヨーロッパ料理を思う存分堪能した後で、久しぶりに目にする日本食は、なんだかもう「帰国の実感」そのものでした。

紅生姜が乗った牛丼風ライスは、素朴で優しい味わい。「あぁ、日本の味だなぁ」と、しみじみ味わってしまいます。ヨーロッパの旅の余韻と、これから帰る日本への思いが、この一皿の中で不思議と重なり合うような、少し切なくも温かい時間でした。

翌朝の洋朝食。ヨーロッパから日本へ、味わいのグラデーションが印象的でした

そして翌朝の機内食は、ヨーロッパ寄りの洋朝食。ハーブ入りのスクランブルエッグ、ミニトマト、じゃがいも、そしてバターとイチゴジャム(Heroブランド)を添えたパン、フルーツカット、コーヒー――ヨーロッパから日本へと、味わいが少しずつグラデーションのように変わっていくのが、なんとも印象的でした。

機内で味わう最後のヨーロッパの余韻

機内食を味わいながら、この6日間の旅を頭の中で振り返っていました。ブダペストの夜景、ブラチスラバの街並み、ウィーンの華麗な宮殿、チェスキークルムロフの絵本の風景、そしてプラハのミュシャ――一つひとつのシーンが、まるでスライドショーのように、次から次へと心に浮かんできます。

「本当に、素晴らしい旅だったな」――消灯後の暗い機内で、そう心の中で呟きながら、私は静かに眠りにつきました。

6日目・羽田到着|6日間の旅を終えて

2017年5月31日(水)、機内で夜を明かし、朝食をいただいて――いよいよ日本の空へと戻ってきました。窓の外に日本列島の見慣れた海岸線が広がる光景は、旅慣れた私にとっても、いつも少し胸がざわつく瞬間です。「あぁ、無事に帰ってこられたんだな」という安堵と、「あの素晴らしい旅も終わってしまうんだな」という寂しさが、同時に胸に湧いてきます。

羽田空港到着、そして解散

飛行機が羽田空港に着陸して、無事に日本の土を踏みしめた瞬間、参加者みんなで小さく安堵の顔を見合わせました。長い旅路をご一緒した仲間の方々との、いよいよ最後のお別れの時間です。

入国審査、荷物のピックアップ、そして税関を経て、到着ロビーへ。ここで添乗員さんから正式にツアー解散のご挨拶があり、参加者みんなで最後の挨拶を交わします。「本当にありがとうございました」「素敵な旅でしたね」「またどこかで」――そんな温かい言葉を交わして、それぞれの家路へと別れていきました。

家に帰り着いて、旅の余韻に浸る

自宅に帰り着いて、スーツケースを開けると、そこには中欧4カ国で買い集めた大切なお土産たちが顔を覗かせました。ホテル・ザッハーのザッハー・ヴュルフェル、ミュシャのしおりと紙袋、聖ヴィート大聖堂の売店で買ったハガキ、そして各地で買い集めた小さな記念品たち――どれもが、あの日々を思い出させてくれる大切な宝物です。

そして後日、ポストに届いたのは、聖ヴィート大聖堂の売店で自分宛てに投函したミュシャのハガキ。旅先の自分から、旅を終えた自分への手紙。それを手にした瞬間、この6日間の旅が本当に現実に起きたことなんだと、じんわりと実感が湧いてきました。

2017年5月26日(金)〜5月31日(水)、6日間の中欧4カ国周遊ツアー――こうして無事に、そして素晴らしい思い出とともに終わりを迎えました。ここからは、この旅を振り返って感じたこと、そしてこれから中欧を旅する方に伝えたいことを、じっくりまとめていきたいと思います。

【総括】中欧4カ国を巡って感じたこと

ここからは、シリーズ最終回として、この旅を全体的に振り返っていきたいと思います。まずは、6日間で巡ったハンガリー・スロバキア・オーストリア・チェコの4カ国それぞれの魅力について、私の実感をお伝えしていきます。

ハンガリー|ドナウの真珠・ブダペストの華やぎ

旅の始まりの地となったハンガリー・ブダペストは、まさに「ドナウの真珠」と呼ばれるにふさわしい、優雅で華やかな街でした。マーチャーシュ教会のカラフルなタイル屋根、漁夫の砦から見下ろすドナウ川と国会議事堂の景観、そしてくさり橋のライトアップ――どの景色も、旅の初日にふさわしいインパクトを持って、私の心に飛び込んできてくれました。

ブダペストは、「ヨーロッパにこれから旅行してみたい」という初心者の方にも、私は自信を持っておすすめしたい街です。街並みが美しく、観光名所がコンパクトにまとまっていて、しかも西ヨーロッパの主要都市に比べると物価も比較的リーズナブル。中欧の魅力を凝縮して味わえる、素晴らしい入口となる街だと感じました。

スロバキア|首都ブラチスラバのコンパクトな魅力

正直に告白すると、旅に出るまで、スロバキアという国のことをあまりよく知りませんでした。しかし実際にブラチスラバを訪れてみて、その小さな首都の魅力にすっかり惹かれてしまいました。パステルカラーの街並みが並ぶフラヴネー広場、中世そのままの姿を残すミハエル門、ユーモラスなチュミル像、そしてブラチスラバ城の丘から眺めた絶景――どれもが、他のヨーロッパの街とは一線を画す、独自の魅力を持っていました。

個人旅行では目的地として選びづらいけれど、周遊ツアーで自然に立ち寄れて、思いがけない出会いが生まれる――そんな魅力をたっぷり教えてくれた街でした。「知らなかった国との出会い」も、周遊ツアーの大きな醍醐味だと、心の底から感じました。

オーストリア|芸術と歴史の都・ウィーンの奥深さ

今回のツアーで、私が「もう一度ゆっくり訪れたい」と最も強く感じた街は、間違いなくウィーンでした。シェーンブルン宮殿の壮麗さ、ベルグルの間の熱帯壁画、ベルヴェデーレ宮殿(クリムトの「接吻」を見逃した悔しさ!)、シュテファン寺院の荘厳さ、ケルントナー通りの華やぎ、そしてホテル・ザッハーの憧れのザッハトルテ――どれもが、一つひとつ丁寧に味わいたい魅力を持っていました。

マリア・テレジア生誕300周年の記念年に訪れられたことは、本当に幸運でした。ハプスブルク家の栄華、モーツァルトやシュトラウスの音楽文化、クリムトの世紀末美術――ウィーンは、丁寧に向き合えば向き合うほど、無限の楽しみを提供してくれる、まさに芸術と歴史の都でした。次回は必ず、クリムトの「接吻」を目にして、カフェ・ザッハーでゆっくりとザッハトルテを味わう――そんな次の旅の目標が、しっかり心に刻まれています。

チェコ|絵本のチェスキークルムロフとミュシャのプラハ

そして、この旅で私が最も感動と刺激をもらったのが、チェコという国でした。世界遺産のチェスキークルムロフでの絵本のような一夜、そしてプラハでのミュシャとの感動的な出会い――どちらも、私の旅人としての人生に、深く刻まれる体験となりました。

特にプラハは、街全体が芸術作品のような美しさを持ち、歩いているだけで心が満たされる、不思議な魅力を持つ街でした。プラハ城、聖ヴィート大聖堂、カレル橋、天文時計、そしてミュシャ美術館――一つひとつが独立した名所として楽しめる中、それらが一つの街に凝縮されているという贅沢さ。「100塔の街」「黄金の街」と呼ばれるゆえんが、実際に歩いてみると心の底から納得できます。

そしてチェスキークルムロフでは、日帰りではなく宿泊できたことが本当に貴重な体験でした。日中の観光客が去った街の静けさ、夕方の柔らかな光、そして翌朝のしっとりとした空気――泊まったからこそ味わえる時間の流れが、街の魅力を何倍にも深めてくれました。

4カ国それぞれに、異なる魅力があった

こうして4カ国を振り返ってみると、「中欧」とひとくくりにされがちなこの地域の中にも、実に多彩な個性が息づいていることに、改めて驚かされます。同じ中世ヨーロッパの街並みでも、ブダペストとブラチスラバとウィーンとプラハでは、色調も、雰囲気も、街を歩く人々の様子も、少しずつ異なっているのです。

この「微妙な違いの発見」こそが、複数の国を巡る周遊ツアーの、他では味わえない楽しみだと感じました。もし一つの国だけを訪れていたら、決して気づけなかったであろうこの繊細な多様性――それを丸ごと肌で感じられたことが、この6日間の旅の、何よりの収穫でした。

【思い出ベスト】シリーズを振り返って心に残った場所

6日間で訪れた世界遺産の街や宮殿、そして自然と歴史が織りなす景観の数々――どれも心に残る素晴らしい場所ばかりでしたが、その中でも特に印象深かった場所を、シリーズ最終回の思い出として、ここでご紹介させてください。

【1位】聖ヴィート大聖堂のミュシャのステンドグラス

シリーズで最も心に残った1枚。ミュシャのステンドグラスとの対面

シリーズ全体を通じて、私の心に最も深く刻まれたのは、間違いなくプラハ・聖ヴィート大聖堂で目にした、アルフォンス・ミュシャのステンドグラスでした。

テレビで見た「スラブ叙事詩」に心を奪われたあの日から、いつか本物のミュシャ作品に対面したいという夢を、ずっと胸に抱き続けてきました。それが、この中欧4カ国ツアーのパンフレットに「聖ヴィート大聖堂」の文字を見つけたことで、突然現実味を帯びて――そして本当に、大聖堂の一室で、目の前でステンドグラスを見上げる瞬間がやってきたのです。

優しいパステルカラーの色彩、繊細なアール・ヌーヴォーの装飾、そして中央に描かれた聖ツィリルとメトディウスの姿――ミュシャの絵の中に流れる、静かで神秘的な祈りの空気感が、そのままステンドグラスの中に息づいていました。20分の見学時間はあまりにも短く、「もう少しゆっくり見たかった」という気持ちが、そのまま「次はチェコでミュシャの作品巡りをしよう」という次の旅の目標に変わっていきました。

この一つの体験のためだけでも、今回のツアーに参加した価値があった――そう心の底から言える、シリーズ最大の思い出です。

シェーンブルン宮殿と「ベルグルの間」特別入場

そして、ミュシャと並んで強く印象に残っているのが、ウィーンのシェーンブルン宮殿、特に通常は入れない「ベルグルの間」への特別入場でした。

マリア・テレジアが夏の間に涼を求めて過ごしたという、壁一面が熱帯の風景で覆われた特別な部屋。画家ベルグルが想像だけで描き上げた鮮やかな緑と色とりどりの動植物の世界に、一歩足を踏み入れた瞬間の感動は、今でも鮮明に覚えています。マリア・テレジア生誕300周年の記念年に、彼女がこよなく愛した空間に立てたことは、旅の贈り物としてこの上ない体験でした。1441室を誇るシェーンブルンの壮大なスケールも、印象的なチェコ製の陶器製の暖炉も、含めて「一度は訪れる価値がある宮殿」だと自信を持って言えます。

ウィーン|芸術と歴史の都、もう一度訪れたい街

そして、街全体としてもう一度ゆっくり訪れたいと最も強く感じたのは、やはりウィーンでした。シェーンブルン宮殿、ベルヴェデーレ宮殿、シュテファン寺院、ケルントナー通り、そしてホテル・ザッハー――どこを取っても密度が高く、半日の観光では絶対に味わい尽くせない街です。

「見ることができなかった場所」がたくさん残っていることは、旅における贈り物です。クリムトの「接吻」、カフェ・ザッハーでのゆったりとした時間、シェーンブルンの庭園と敷地全体――全てを次回への楽しみに取っておくことにしました。ウィーンは、私にとって間違いなく「これから先も何度も戻ってきたい街」となりました。

チェスキークルムロフ|絵本の街に泊まる贅沢

そして、旅の中で最も「特別な体験」として心に残ったのが、世界遺産チェスキークルムロフでの一夜でした。ヴルタヴァ川がオメガ形に街を包み込み、赤茶色の瓦屋根とカラフルなだまし絵のお城が織りなす「絵本のような景色」。ここに泊まれるという体験は、日帰り観光では絶対に味わえない、周遊ツアーだからこそ実現できた贅沢でした。

ホテル・Goldの趣ある広い部屋、夕方のビュースポットからの絶景、そして翌朝の静かな街の空気――全てが、いつまでも記憶に残る美しい体験となりました。

プラハ|街歩きそのものが最高の楽しみ

最後に、プラハの街歩きそのものも、この旅の忘れがたい思い出です。プラハ城からの絶景、聖ヴィート大聖堂の壮麗さ、カレル橋の歴史ある佇まい、旧市庁舎広場の華やかさ、天文時計の精緻なからくり――一つひとつが見応え十分で、街を歩く時間そのものが、まるで芸術鑑賞のような贅沢さでした。

そしてツアー参加者の方々と偶然お茶をした、プラハの旧市街のスタバでの時間も、心温まる思い出です。同じ景色を一緒に見てきた仲間との、何気ない会話――こういった思いがけない出会いも、周遊ツアーが与えてくれる素敵な贈り物だと感じました。

【一人参加ツアーの魅力】添乗員付きツアーで感じたこと

今回の中欧4カ国周遊ツアーは、私にとって一人参加・個室利用・添乗員付きという定番のスタイルでの旅でした。この6日間を通じて、改めて感じたのは、「一人参加でツアーに申し込む」という選択の、想像以上の心地よさと安心感でした。

添乗員さんの存在は、想像以上に心強い

まず何より、日本語が通じる添乗員さんの存在は、旅の安心感を何倍にも高めてくれるものでした。空港でのチェックインや出入国手続き、ホテルの手配、レストランでの食事、そしてトラブルが起きたときの対応まで――「わからないことがあったら、すぐに日本語で相談できる」という状況が、想像以上に大きな安心感を生み出してくれるのです。

特に第1話で書いたブダペストのホテルでの盗難事件のように、旅先では思いがけないトラブルが起こることもあります。そんなとき、添乗員さんが冷静に状況を判断して、必要な手続きをサポートしてくださるだけで、旅の心の余裕はまるで違ってきます。「海外で何か起きたらどうしよう」という不安が、海外旅行への一歩を踏み出せない大きな理由になっている方には、添乗員付きツアーは本当に強くおすすめしたい選択肢です。

個室利用で、プライバシーはしっかり確保

そして、一人参加でツアーに申し込む際に、私が必ず選ぶのが個室(シングルルーム)利用です。もちろん追加料金はかかりますが、一日の観光を終えて、自分だけの空間でゆっくり過ごせる時間があることの安心感は、追加料金以上の価値があると私は思っています。

お部屋で荷物を整理したり、翌日の準備をしたり、明日の観光地について事前に調べたり――そうした静かな時間があるからこそ、翌日の観光にも気持ちよく臨めるのです。相部屋との組み合わせも可能なプランはありますが、初対面の方と数日間同じ部屋で過ごすのは、私にとってはハードルが高い選択でした。「一人参加でも、プライバシーはしっかり確保できる」――これは、一人旅を検討している方に、ぜひ知っておいてほしいポイントです。

「一人だから寂しい」は、実はほとんど感じない

一人参加でツアーに申し込むことを検討している方の多くが抱く不安のひとつが、「食事の時間などが寂しくないか」というものではないでしょうか。私自身も、初めて一人参加のツアーに申し込んだときは、この点が少し気になっていました。

しかし、実際に参加してみると、この心配は思っていた以上に杞憂だったと感じます。ツアーで食事の時間は、他の参加者の方と自然に会話が生まれる場面もありますし、無理して交流したくない時は、静かに料理を味わうこともできます。第6話でご紹介したプラハのスタバでの偶然の出会いのように、ときには思いがけない交流が生まれることもあります。

一人参加でも、周りに他のツアー参加者がいる安心感と、自分のペースで過ごせる自由さ、そのバランスがちょうどよいのが、周遊ツアーの魅力だと感じました。

効率よく「王道の観光」を楽しめる

添乗員付きツアーの、もう一つの大きなメリットは、効率よく「王道の観光地」を巡れることです。今回のツアーで訪れた場所は、どれも中欧4カ国の代表的な観光名所ばかり。個人旅行で自分でルートを組んで訪れるとなると、大変な時間と労力がかかる場所を、添乗員さんの導きで無駄なく回れるのは、本当にありがたいことでした。

特に、シェーンブルン宮殿の「ベルグルの間」への特別入場のような、団体ツアーだからこそ実現できる特別な体験は、個人旅行ではなかなか味わえない贅沢です。「王道の見どころをしっかり押さえた上で、+αの特別な体験も楽しめる」――これが、周遊型の添乗員付きツアーの、大きな魅力だと感じています。

【アドバイス】タイトスケジュールを楽しむ人・じっくり回りたい人へ

ここまでシリーズを通じて、中欧4カ国周遊ツアーの魅力をたっぷりお届けしてきました。最後に、私が実際に参加してみて感じた実感から、これから中欧への旅を検討している方への実用的なアドバイスをお伝えしたいと思います。

正直な感想|6日間で4カ国は、確かにタイトスケジュール

まず、率直な感想からお伝えします。今回の「6日間で4カ国」という周遊プランは、確かにタイトなスケジュールでした。移動距離が長く、一つの街での観光時間が短く、朝早く出発して夕方まで動き回る――そんな慌ただしい日々が続いたのは事実です。

ウィーンでもクリムトの「接吻」を見逃したり、シェーンブルン宮殿の広大な庭園を全部見きれなかったり、聖ヴィート大聖堂のミュシャのステンドグラスを20分で切り上げなくてはならなかったり――「もう少しゆっくり見たかった」と感じた場面は、正直に告白すると、たくさんありました。

ですから、これから中欧を旅する方には、ご自身の旅のスタイルに合わせて、最適な方法を選んでいただきたいと思います。私の実感から、大きく分けて2つのタイプに向けたアドバイスをお伝えします。

効率よく「王道」を巡りたい方へ|周遊ツアーは強い味方

「限られた日数の中で、中欧の主要な観光地を一通り効率よく回りたい」
「初めての海外だから、まずは有名どころをしっかり押さえたい」
「個人手配は不安、添乗員さんに全部お任せしたい」

――そんな方には、今回のような添乗員付きの周遊ツアーが、間違いなくおすすめの選択肢です。6日間で4カ国というプランは確かにタイトですが、逆に言えば「限られた日程で最大限の見どころを効率よく回る」という点では、これ以上ないほど優れた組み方だと感じました。

特に私のように、「まずは中欧の全体像を掴みたい」「どの国が自分に合っているかを実際に足を運んで確かめたい」というモチベーションで訪れる場合、こうした周遊ツアーは本当に理想的です。それぞれの国の代表的な観光名所を短時間でも巡り、自分にとって「もう一度ゆっくり訪れたい国」を見つけるための第一歩として、これ以上ないほど効率的です。

じっくり回りたい方へ|個人手配や自由時間の多いツアーを

「一つの都市でゆっくり過ごしたい」
「美術館や教会の中を、時間を気にせずじっくり見学したい」
「街の雰囲気を、自分のペースで肌で感じたい」

――そんな方には、周遊ツアーではなく、個人手配での旅、あるいは自由時間が多めに組まれたツアーをおすすめします。中欧の各都市は、それぞれに底知れない魅力を持っています。ウィーンだけ、あるいはプラハだけを訪れて、丸1週間かけてじっくり滞在する――そんな旅の楽しみ方も、間違いなく素敵な選択肢だと思います。

実際、私自身も「次のチェコ旅行では、ミュシャの作品巡りをじっくり楽しむ個人旅行にしたい」と決意しています。周遊ツアーで全体像を掴んだ経験があるからこそ、次はどこにフォーカスして深く楽しむのかが、はっきりと見えてくるのです。

私のおすすめは「まず周遊、次に深堀り」

もし今、「中欧に行ってみたいけれど、どうやって旅を組めばいいのか分からない」と迷っている方がいらっしゃったら、私からのおすすめは、「まず周遊ツアーで全体像を掴む→次に個人旅行で深堀りする」というステップです。

周遊ツアーで一通り巡ることで、自分にとって「もう一度ゆっくり訪れたい街」がはっきり見えてきます。そして、次の旅で、その街や特定のテーマ(私の場合はミュシャ)に絞って、じっくり滞在する――この二段構えの楽しみ方が、私の実感としては、中欧を最も豊かに楽しむ方法だと感じました。

「行きたいけれど、一歩踏み出せない」――そう感じている方には、まず添乗員付きの周遊ツアーで、安心して中欧の空気を感じてみることを、心からおすすめします。そこで見えてくる次の旅の目標が、あなたにとって、きっと素敵な人生の宝物になるはずです。

まとめ|シリーズ全7話にお付き合いいただき、ありがとうございました

準備編から始まった「中欧4カ国周遊ツアー」シリーズ全7話、これにて完結です。ここまでお付き合いいただき、本当にありがとうございました。

2017年5月26日(金)〜5月31日(水)、JTB旅物語で参加した6日間の旅――ブダペスト、ブラチスラバ、ウィーン、チェスキークルムロフ、プラハという中欧屈指の名都を巡り、5つの世界遺産を訪れ、シェーンブルン宮殿の「ベルグルの間」に特別入場し、そして聖ヴィート大聖堂で憧れのミュシャのステンドグラスに対面する――そんな素晴らしい体験の数々を、記事という形で残せたことを、心から嬉しく思っています。

このブログのコンセプトは、「行きたいのに、一歩踏み出せない人の背中を押す」こと。今回のシリーズ記事が、これから中欧を旅しようと考えている方、あるいは「一人参加のツアーってどうなんだろう」と迷っている方の、少しでもお役に立てたなら、これ以上に嬉しいことはありません。

実際に足を運んでみると、旅先には想像以上の感動と、思いがけない発見と、そして人生を豊かにする学びが待っています。「あのとき、思い切って旅に出てよかった」――そんな気持ちを、私はこの中欧4カ国ツアーからもたくさんもらいました。皆さんにも、そんな旅の魔法との出会いが訪れますように。

これからも「世界ぐるり✈旅のアルバム帖」では、私が実際に訪れた世界各地の旅の記録を、少しずつシェアしていく予定です。次のシリーズ記事も、どうぞお楽しみに――そしていつか、皆さんの旅の背中を押せる、そんな1本になることを願っています。

本当に、ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。

中欧4カ国周遊ツアー シリーズ全7話

本シリーズは、2017年5月にJTB旅物語で参加した「中欧4カ国周遊6日間」ツアーの記録です。準備編から最終話まで、ぜひ続けてお楽しみください。

  • 準備編:ツアー選びの理由・費用・持ち物・一人参加の準備まとめ
  • 第1話:1日目|羽田からミュンヘン経由でブダペスト到着まで
  • 第2話:2日目前半|ブダペストの世界遺産を歩く(マーチャーシュ教会・漁夫の砦・くさり橋)
  • 第3話:2日目後半|ブラチスラバ散策とウィーンへの移動
  • 第4話:3日目|ウィーン歴史地区とシェーンブルン宮殿「ベルグルの間」特別入場
  • 第5話:3日目夜〜4日目朝|世界遺産チェスキークルムロフに泊まる
  • 第6話:4日目|プラハ聖ヴィート大聖堂のミュシャのステンドグラスと歴史地区観光
  • 第7話(本記事):5〜6日目|帰国の旅路とツアー全体の振り返り

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