ポストイナ鍾乳洞をトロッコで爆走|地底の絶景とアドリア海のリゾート・オパティア

ツアー旅行体験談

アルプスの瞳・ブレッド湖で旅の始まりを満喫した私。第2話は、そのブレッド湖を離れ、地下深くに広がる神秘の世界ポストイナ鍾乳洞へと向かいます。そして一日の終わりは、アドリア海を望む高級リゾートオパティアへ。湖から地底、そして海辺のリゾートへと、風景がめまぐるしく移り変わる、変化に富んだ一日となりました。

まずは腹ごしらえ。名物「マスのグリル」ランチ

ブレッド湖をあとにして、鍾乳洞へ向かう前に、まずは昼食です。立ち寄ったのは、ブレッド湖にほど近いホテル・リブノ(Hotel Ribno)のレストラン。この日いただいたのは、湖の国・スロベニアらしいマスのグリルでした。

まずは温かいトマトベースの赤いスープから。ハーブの効いた優しいお味で、移動で少し疲れた体にじんわりとしみわたります。

まずは温かい赤いスープから。ハーブの香りがやさしい一皿

そしてメインが、こんがりと焼かれたマスのグリル。皮はパリッと香ばしく、身はふっくら。付け合わせのライスと、レモンやミニトマトの彩りも可愛らしく、目にも楽しい一皿でした。とても美味しくいただきました。お酒を飲まない私にとっては、お料理そのものが旅のいちばんの楽しみ。こうして各地の名物を味わえるのは、ツアーならではの嬉しさです。

メインはマスのグリル。皮は香ばしく、身はふっくら

デザートは、粉砂糖をたっぷりまとったパイ菓子。さくさくの生地の中に、クリームがとろり。甘いものは別腹、とはよく言ったもので、しっかり完食してしまいました(笑)。さあ、お腹も満たされたところで、いよいよ地底探検の始まりです。

デザートは粉砂糖たっぷりのパイ菓子。甘いものは別腹です

ヨーロッパ最大級の地底世界・ポストイナ鍾乳洞へ

バスが到着したのは、ポストイナ鍾乳洞(Postojnska jama)。入口には各国の国旗がずらりと並び、「POSTOJNSKA JAMA」の文字が誇らしげに掲げられていました。青空の下、これから地下深くへもぐるのかと思うと、胸が高鳴ります。

ポストイナ鍾乳洞の入口。青空に各国の国旗がはためきます

このポストイナ鍾乳洞、じつはヨーロッパ最大級、全長はなんと約27kmにもおよぶ大鍾乳洞なのだそうです。近くを流れるピウカ川が、200万年という気の遠くなるような歳月をかけて石灰岩を溶かし、削り、この巨大な地下世界を造り上げました。その存在は古くから知られていましたが、洞窟の全貌が明らかになったのは1818年のこと。そして1872年には、なんと世界で初めての洞窟探検用の鉄道が敷かれたというから驚きです。

そう、この鍾乳洞のいちばんの名物が、その洞内を走るトロッコ列車なのです。

トロッコ列車で爆走!まるで遊園地のアトラクション

見学は、まずこのトロッコ列車に乗り込むところから始まります。乗り場に並ぶ青い座席の列車を見て、否が応でも期待が高まります。

洞内を走るトロッコ列車の乗り場。この青い座席に乗り込みます

そして、いざ発車。これがもう、想像していた以上のスピードなのです。暗い洞内を、鍾乳石すれすれに、ぐんぐん、ぐんぐん進んでいきます。まるで遊園地のアトラクションのよう。頭上に迫ってくる岩肌に思わず身をすくめながらも、私はすっかり夢中になっていました。ああ、楽しい。地底を駆け抜けるこの感覚は、なかなか味わえるものではありません。

ぐんぐん進むトロッコ。ブレた写真も、かえってスピード感の証です(笑)

洞の奥まで、10分ほどでしょうか。あっという間の、けれど忘れられない乗車でした。写真を撮ろうにも、スピードが速すぎてすっかりブレてしまいましたが、これはこれで、あの疾走感の記念だと思っています。

何百万年の時が生んだ、幻想的な地底の芸術

トロッコを降りると、ここからはガイドさんに続いて徒歩での見学です。そして、目の前に広がった光景に、私は言葉を失いました。

見上げるほどに高い天井、どこまでも続く巨大な空間。そのすべてが、無数の鍾乳石で埋め尽くされています。ライトアップされた岩肌は、あるところは黄金色に、あるところは白く輝いて、それはもう幻想的の一言でした。

見上げるほど高い天井。ライトアップが幻想的でした

天井から垂れ下がるつらら状の鍾乳石、床からにょきにょきと伸びる石筍(せきじゅん)。これらはすべて、水滴が一滴、また一滴と落ちるたびに、ほんのわずかずつ成長してできたもの。1cm伸びるのに何十年、何百年とかかると聞きました。今、目の前にあるこの太い石の柱が出来上がるまでに、いったいどれほどの歳月がかかったのだろう——そう思うと、ただただ感心するばかりでした。人の一生など、この地底の時間の流れの前では、ほんの一瞬なのですね。

床から伸びる石筍。1cm伸びるのに何十年もかかるそう
黄金色に輝く鍾乳石の数々。まるで地底の宮殿のよう

ちなみに、この洞内にはとても珍しい生き物が棲んでいます。ホライモリという、体長30cmほどの両生類。ずっと暗闇で暮らすうちに目が退化し、皮膚は透き通るような白。かつては「龍の赤ちゃん」と信じられていたのだとか。寿命はなんと100年ほどともいわれます。この子たちを守るため、洞内ではカメラのフラッシュは禁止。私も、そっと目に焼き付けてきました。

それにしても、洞内はひんやり。年間を通じて10度前後だそうで、5月でも上着が欲しくなるほどでした。第1話でコートを持ってきて正解だったと書きましたが、ここでもそれが役立ちました。夏の暑い盛りにここへ来たら、さぞ涼しくて気持ちがいいでしょうね。

アドリア海の高級リゾート・オパティアへ

地底の余韻にひたりながらバスに揺られ、国境を越えてクロアチアへ。この日の宿泊地は、アドリア海に面した高級リゾート地オパティアです。

オパティアは、19世紀からヨーロッパの貴族たちが避暑に訪れた由緒あるリゾート地。その優雅なたたずまいから「クロアチアの貴婦人」とも呼ばれているのだそうです。夕暮れ時に到着すると、黄色い外壁のクラシカルなホテルが、バラの花と緑の庭園に囲まれて、なんとも品のある佇まいで私たちを迎えてくれました。

夕暮れのオパティアのホテル。バラと緑の庭園が優雅でした

お部屋は、豪華絢爛というよりは、清潔でシンプルにまとめられた居心地のよい空間でした。長い一日の疲れをゆっくり癒すには、こういうお部屋がいちばんです。ひとり参加でも、いつも個室を選んでいるので、気兼ねなく自分のペースで休めるのがありがたいところ。窓の外にはアドリア海の気配を感じながら、私は満ち足りた気持ちで眠りにつきました。

【最新情報】ポストイナ鍾乳洞の見学

※以下は本記事執筆時点で調べた最新の情報です。私が訪れた2014年当時とは料金や運営が変わっています。おでかけ前に必ず公式サイト等で最新情報をご確認ください。

  • 見学方法:入洞時間が決まったガイドツアー制です。トロッコ列車と徒歩を組み合わせ、所要は約1時間30分。徒歩区間は滑り止め加工された通路で、階段は少なめです。
  • 言語ガイド:英語・スロベニア語・ドイツ語・イタリア語などのガイドが同行します。追加料金で日本語のオーディオガイドを借りられる場合があります。
  • 洞内の気温:年間を通じて約10度前後。夏でも上着(羽織るもの)を一枚持っていくと安心です。
  • 服装・靴:通路が濡れていることもあるので、歩きやすい靴がおすすめです。
  • 混雑:夏のピーク時は大変混み合い、希望の時間に入れないこともあるため、早めの到着・予約が安心です。
  • 通貨:スロベニアはユーロ圏です。

次回は、2つの世界遺産の街へ

湖、地底、そして海辺のリゾートと、盛りだくさんだった2日目。次回はいよいよ、クロアチアが誇る世界遺産の街々をめぐります。美しい大聖堂で知られるシベニク、そして中世の面影を色濃く残す小さな街トロギール。どちらもユネスコ世界遺産に登録された、珠玉の街です。

次回もどうぞ、私と一緒に旅を続けてくださいね。

クロアチア・スロベニア・ボスニア3ヵ国周遊ツアー シリーズ一覧

2014年5月、阪急トラピックスで訪れたクロアチア・スロベニア・ボスニアヘルツェゴビナ3ヵ国周遊の旅。全8回にわたってお届けします。

  • 第1話|スロベニア・ブレッド湖と聖マリア教会
  • 第2話|ポストイナ鍾乳洞とアドリア海の街オパティア(本記事)
  • 第3話|世界遺産の街シベニクとトロギール(近日公開)
  • 第4話|スプリットとモスタル ― クロアチア&ボスニアの世界遺産(近日公開)
  • 第5話|アドリア海の真珠・ドブロヴニク(近日公開)
  • 第6話|念願のプリトヴィッツェ湖群国立公園(近日公開)
  • 第7話|首都ザグレブと帰国の途(近日公開)
  • 【まとめ】クロアチア・スロベニア・ボスニア3ヵ国周遊ツアー8日間|ルート・費用・世界遺産6つの全記録(近日公開)

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