初めての入院・腹腔鏡手術体験記、第2話です。
前回(第1話)では、健康診断で子宮内膜症が見つかってから手術を決断するまでの経緯を書きました。今回は、いよいよ入院初日から手術当日、術後2日目までを時系列でお伝えします。
「全身麻酔ってどんな感じ?」「術後の痛みはどのくらい?」「尿管カテーテルを抜くのは痛い?」——手術前の私が一番知りたかったことを、リアルな体験としてまとめました。少し生々しい部分もありますが、これから手術を控えている方の参考になればと思い、正直に書いています。
※治療方針や術後の経過は個人差があります。あくまで私の体験としてお読みください。
入院初日(手術前日)|10:30 病院へ
入院は手術の前日でした。10時30分に病院に到着し、受付で入院の手続きを済ませ、病室へ案内されました。手続き自体はそれほど時間はかかりませんでしたが、受付のソファに座っている間、「いよいよだな」という緊張感が高まっていくのを感じました。
私はトイレ付きの個室を選びました。術後はトイレに行く回数も多いですし、何かと音を気にせず過ごせるので、個室にして正解だったと思います。
病室の設備について
病室にはベッドサイドにテレビと冷蔵庫がありましたが、利用するにはテレビカードの購入が必要でした(有料)。私はテレビカードを購入しませんでした。理由は3つ。
まず、病室で無料WiFiが使えたので、スマホで動画を見たり調べものをしたりするのに困りませんでした。次に、飲み物は家から持参した500mlのお水を常温で飲んでいたので冷蔵庫も不要。そして、暇つぶしの読書はKindle電子書籍リーダーに本を入れて持って行ったので、テレビがなくても暇を持て余すことはなかったです。
入院中の過ごし方は人それぞれですが、WiFiの有無やテレビカードの料金は病院によって違うので、入院前に確認しておくと安心です。
先生の診察、そして続々と訪れるスタッフの方々
病室に落ち着くと、まず診察室に呼ばれ担当の先生が診察をしてくれました。手術の内容や流れについて改めておさらいをしてもらい、不安な点がないか確認してくれます。
その後、病室で待っていると入れ替わり立ち替わりスタッフの方々が訪ねてきました。薬剤師さんからは服用中の薬の確認、麻酔科の先生からは全身麻酔の説明とスケジュール、看護師さんからは入院中の過ごし方や手術当日の流れの説明。それぞれ丁寧に説明してくれるので、「自分は一人じゃないんだ、こんなに多くの方がサポートしてくれるんだ」と心強く感じました。
不安と怖さで泣いてしまった
……とは言え、やっぱり怖いものは怖いのです。
スタッフの方々の説明を聞いているうちに、いよいよ明日なんだという実感が押し寄せてきて、不安と怖さで泣いてしまいました。恥ずかしかったけれど、スタッフの皆さんは優しく励ましてくれました。
泣いたっていいんです。怖くて当たり前。初めてのことに不安を感じるのは自然なことだと、今なら思えます。
入院初日の夜
昼食と夕食を食べ、シャワーを浴びました。手術前日のシャワーは体を清潔にするために大切だそうです。寝る前に下剤を飲んで、21時に就寝。明日に備えて早めに寝ようとしましたが、緊張でなかなか寝つけませんでした。
手術当日の朝|初めての浣腸、そして手術室へ
手術は朝8時45分から。目が覚めてからは緊張であっという間に時間が過ぎていきました。
初めての浣腸は……失敗
朝、手術前の処置として浣腸がありました。人生初の浣腸です。
結果は……あまりうまく排便できず。前日の下剤でも十分には出ていなかったこともあり、初めての浣腸は失敗に終わりました。でも、先生は「大丈夫ですよ」と声をかけてくれました。完璧にできなくても心配はいりません。
両親の付き添いと手術室への移動
手術室へ行く前に、付き添いのために両親が来てくれました。顔を見たら安心したのと同時に、またちょっと泣きそうになりました。
時間になると、看護師さんと一緒に手術室へ向かいます。廊下を歩きながら、看護師さんが「昨日は眠れましたか?」「今日のお天気いいですよ」と緊張をほぐすように話しかけてくれました。手術室に入ってからも、麻酔科の先生やスタッフの皆さんが「大丈夫ですよ」「もうすぐ楽になりますからね」と声をかけ続けてくれました。手術室のスタッフの方々の温かさに、本当に救われました。
全身麻酔〜手術|手術台に寝たらあっという間だった
手術台に横になると、スタッフの皆さんがテキパキと準備を進めていきます。モニターが取り付けられ、点滴のラインが確認されて。手術室は思っていたよりも広くて明るく、ドラマで見るような緊迫した雰囲気とは違いました。
「はい、じゃあ眠くなりますよ〜」と麻酔科の先生に言われた次の瞬間……もう目が覚めていました。
本当に「あっという間」でした。全身麻酔が一番怖かったのに、意識がなくなる瞬間すら覚えていません。「10数えてくださいね」とかもなく、声をかけられた次の記憶がもう術後。不思議な感覚です。手術前にあんなに恐れていたのは何だったんだろう、というのが正直な感想でした。
予定では3時間ほどの手術でしたが、実際には4時間半かかったそうです。直腸などと癒着していたため、予定より時間がかかったとのこと。こういうことは手術中にしかわからないので、付き添いの方には時間が延びる可能性があることを事前に伝えておくと安心です。
目が覚めてからが一番辛かった
目が覚めたとき、最初に感じたのは「ちょっと生理痛っぽいかな」という程度の鈍い痛みでした。「あれ、思ったほどじゃないかも」と一瞬安心しました。
ところが、手術室から病室への移動が始まると状況が変わりました。ベッドで運ばれる振動が伝わるたびに痛みがどんどん増してきたのです。同時に体がガタガタ震えるほどの寒気も襲ってきて、「寒い、痛い」「寒い、痛い」と何度も繰り返していました。
正直に言うと、ここが一番辛かった瞬間です。
病室に戻ると、看護師さんがすぐに対応してくれました。電気毛布を敷いて体を温め、痛み止めの点滴を打ってもらうと、徐々に痛みと寒さが和らいでいきました。
この一連の対応をしてくれたのはお一人の看護師さんでした。「寒い、痛い」を何度も何度も言ってしまって申し訳なかったけれど、嫌な顔ひとつせず対応してくださいました。申し訳なさと感謝の気持ちでいっぱいでした。
病室に来てくれた両親に「ありがとう」と伝えて、帰ってもらいました。
術後の夜|体についた管が不快だった
両親を見送ったあとは、熱が出たこともあり、次の日の明け方頃までひたすら寝ました。その間も何度も看護師さんが様子を見に来てくれました。体温や血圧を測り、痛みはないか確認してくれます。夜中に何度も来てくれることに、最初は「申し訳ない」と思いましたが、そのたびに安心できたのも事実です。一人で過ごす術後の夜は心細いもの。看護師さんの存在がどれほどありがたかったか。
術後の体にはいろいろなものが付いています。正直に言うとこれが不快でした。
- 点滴:水分や栄養、痛み止めの補給用
- 尿管カテーテル:トイレに行けないため、尿を管で排出する
- ドレーン:お腹の中に溜まる体液を外に出すための管
- 肺塞栓防止の器具:足に装着し、血流を良くしてエコノミークラス症候群を防ぐもの
特に肺塞栓防止の器具は足を圧迫したり緩めたりを繰り返すので、最初は違和感がありました。寝返りを打つたびに管が引っ張られるのも気になります。看護師さんからは血流を良くするために寝返りをするよう促されますが、体中に管が付いている状態での寝返りはなかなか大変でした。
とはいえ、ひたすら寝て睡眠で回復したのか、明け方頃には痛みもなく、頭もスッキリして目覚めました。人間の回復力ってすごいなと感じた朝でした。
術後1日目|少しずつ体から管が取れていく
手術の翌日から、回復に向けて少しずつ体を動かしていきます。
朝食再開と身体のケア
朝から食事がありました。術後初めての食事です。お腹はペコペコでしたが、お腹に圧迫感があったので半分くらいで我慢しました。無理に食べなくて大丈夫です。食べられる分だけ食べれば十分。
ちなみに、このお腹の圧迫感はおならが出るごとにおさまっていきました。恥ずかしい話ですが、術後のおならは腸が動き始めた回復のサインだそうです。個室を選んでおいて良かったと心から思いました。これから入院される方、可能であれば個室をおすすめします。
食後は看護師さんに体を拭いてもらい、着替えを手伝ってもらいました。肺塞栓防止の器具は外れて、代わりに弾性ストッキングを着用します。機械から解放されただけでも、だいぶ楽になりました。
歩行テストと尿管カテーテルの除去
看護師さんと一緒に歩行テストをしました。看護師さんに手伝ってもらいながら、術後初めて自分の足で立ち上がります。お腹に力が入ると痛みが走るので、ゆっくりゆっくり。まるでおばあちゃんのような歩き方でしたが、ちゃんと歩けている。それだけで嬉しくなりました。
眩暈や吐き気がなかったので、そのまま病室の中を少し歩きました。たったこれだけのことなのに、達成感がありました。
歩行に問題がなかったので、次はいよいよ尿管カテーテルの除去です。
これも手術前にかなり心配していたことの一つ。「痛いのかな……」とビクビクしていましたが、看護師さんから「力が入ると痛いので、『フー』っと息を吐くことに集中してください」とアドバイスをもらいました。
言われた通りに息を吐くことだけに集中したら、痛くはなく一瞬の違和感だけで取れました。怖がっていたのが嘘みたいです。これから尿管カテーテルを抜く方、「フー」と息を吐く作戦、ぜひ試してみてください。
点滴も終了、でもドレーンはまだ
尿管カテーテルに続いて、点滴も終了し取ってもらいました。初回のトイレに行くときだけ看護師さんに声をかけるよう言われましたが、無事にクリア。
これで残っているのはドレーンだけ。でも、このドレーンがなかなか厄介でした。お腹から管が出ているので、横になっても座ってもしっくりくる体勢が見つかりません。ベッドで横になったり座ったり、病室内をウロウロ歩いたりしながら過ごしました。Kindleで本を読もうとしても、体勢が落ち着かず集中できないもどかしさ。早くこの管が取れないかな……と、ドレーン除去の日が待ち遠しかったです。
午後は微熱が出てひたすら休養
昼食後、疲れてしまったのか微熱が出てしまいました。食事と検温・血圧チェック以外はひたすら寝て過ごしました。
焦らず、体のペースに合わせて休むこと。入院中に学んだ大切なことの一つです。
術後2日目|ドレーンが取れて快適に
術後2日目の朝、待ちに待ったドレーンの除去です。
ドレーンを取るとき、まず固定していた糸を切ります。このときチクチクとした痛みがありましたが、ここでも「フー」と息を吐くことに集中したら、痛くはなく一瞬の違和感だけで取れました。尿管カテーテルと同じコツです。
体に何もついていない。この快適さといったら! 管から解放された瞬間の開放感は、入院中のハイライトと言ってもいいくらいです。
初シャワーとお腹のテープ
ドレーンが取れたことで、術後2日目からシャワーを浴びることができました。数日ぶりのシャワーは本当に気持ちよかったです。この時に弾性ストッキングも脱いで良いと言われ、さらに身軽に。
シャワーのとき、手術後初めて自分のお腹をじっくり見ました。テープは5か所に貼ってありました。腹腔鏡手術なので、大きく切開する開腹手術に比べて傷口はとても小さいです。こんな小さな穴からお腹の中の手術ができるんだ、と医療技術に感心しました。テープは自然に剥がれるまで自分で剥がさないでくださいとのことでした。
一つ想定外だったのが、テープかぶれです。手術の傷口のテープは大丈夫だったのですが、点滴やドレーンなどのチューブを固定するために貼っていたテープで、数か所がかぶれて水ぶくれになってしまいました。塗り薬を処方してもらいましたが、肌が弱い方はあらかじめ看護師さんに相談しておくと良いかもしれません。
お通じの問題と食欲の回復
昼食後、便意はあるものの、なかなか出ないのが困りました。先生に相談して薬を処方してもらったところ、スッキリ排便できました。無理をせず薬に頼るのも手です。
お通じがあってスッキリしたおかげか、この日の夕食は完食。食事がおいしいと感じられるって、回復している証拠だなと実感しました。夜9時に就寝。ぐっすり眠れました。
次回予告
第3話では、退院までの日々、気になる入院費用の全額内訳、そして退院後の暮らしをお伝えします。
腹腔鏡手術の入院費用っていくらかかるの? 高額療養費制度って実際どうなの? 退院後はいつから普通の生活に戻れるの?——お金のことも生活のことも、包み隠さずお話しします。
▶ 第1話:健康診断で子宮内膜症が発覚|腹腔鏡手術を決めるまでの経緯と心の変化
▶ 第3話:腹腔鏡手術の入院費用は約16万円|入院生活と退院後のリアルな暮らし(近日公開)
まとめ
- 入院初日は不安で泣いてしまったが、スタッフの皆さんが励ましてくれた
- 全身麻酔は「手術台に寝たらあっという間」。意識がなくなる瞬間すら覚えていない
- 一番辛かったのは目覚め直後の痛みと寒さ。でも電気毛布と痛み止めの点滴で落ち着いた
- 尿管カテーテルやドレーンの除去は「フー」と息を吐く作戦で乗り切れる
- 術後2日目にドレーンが取れると一気に快適に。シャワーも浴びられるようになる
- テープかぶれに注意。肌が弱い方は事前に相談を
- 焦らず体のペースに合わせて休むことが大切


コメント