大地と水辺で出会った、野生の鼓動
朝、カーテンを開けると、やわらかな光が差し込んできました。
ここはジンバブエ、エレファント・ヒルズ・リゾート。
朝食会場は広く、天井が高く、開放感にあふれています。
テラス席に出ると、空がゆっくりと明るくなっていくのが見えました。
日の出を眺めながらの朝食。

フルーツやパン、温かい料理をいただきながら、
「今日はサファリだ」と思うと、自然と胸が高鳴ります。
アフリカといえばサファリ。
この旅で、私が最も楽しみにしていた日でもありました。
ボツワナへ
7時30分、ホテルを出発。
バスでボツワナのチョベ国立公園へ向かいます。
国境を越えるというだけで、どこか特別な気持ちになります。
パスポートを持ち、再び入国手続きを済ませる。
ビクトリアフォールズからチョベまでは約2時間。
車窓の景色は、のどかなアフリカの大地。
土の色、まばらな木々、遠くに見える家々。
「この先に野生動物がいるのだろうか」
半信半疑のような、でも確かな期待。
初めてのサファリ
チョベ国立公園に到着。
トイレ休憩を済ませ、サファリカーへ乗り換えます。
サファリカーは、屋根はあるけれど窓のないタイプでした。
四方が開けていて、風がそのまま入り込んできます。
ガラス越しではなく、直接大地の空気を感じる距離。
座席に腰を下ろすと、エンジンの振動が足元に伝わりました。
いよいよ、初めてのサファリが始まりました。
舗装されていない道をゆっくり進みます。
周囲は静かで、ガイドさんが小さな声で説明をしてくれます。
「ゾウがいます」
その言葉に、全員が一斉に視線を向けます。
最初は少し離れた場所に、大きな影が見えました。
ゆっくりと草を食べながら歩いています。
──あれが本物のゾウ。
そう思った次の瞬間。
ゾウはこちらへ向かって歩いてきました。
どんどん、近づいてくる。

サファリカーの中が静まり返ります。
エンジンを切った車内に、土を踏む重たい音が響く。
気づけば、手を伸ばせば届きそうな距離。
テレビで見るのとはまったく違う迫力。
体の大きさも、肌の質感も、呼吸の音さえも伝わってくる。
確かに、“そこにいる”。
自然の中で、彼らの時間が流れています。
私たちはただ、その世界に少しだけお邪魔している存在でした。
次々と現れる動物たち
その後も、さまざまな動物に出会いました。
ワニが水辺でじっと動かずにいる姿。
群れで草を食むインパラ。
どっしりとした体のバッファロー。
そして、遠くの木の間から現れたキリン。

長い首をゆっくりと動かし、こちらを見ているようにも感じます。
イボイノシシが小走りで横切る姿も、どこか愛らしい。
でも、何よりも印象に残ったのはライオンでした。

ガイドさんが静かに車を止めます。
少し先の茂みの中。
いました。
ライオン。
思っていたよりも近い距離。
そのたたずまいは、堂々としていて、どこか静か。
胸が高鳴ります。
「本当に野生なんだ」
そう実感した瞬間でした。
動物園で見るのとはまったく違う。
ここでは彼らが主役で、私たちは訪問者。
その感覚が、強く心に残りました。
サファリ後の昼食
午前のサファリを終え、ホテルのレストランでビュッフェの昼食をいただきました。



緊張していたのか、少しどっと疲れが出ます。
それでも、テーブルでは動物の話で盛り上がります。
「さっきのライオン、近かったですね」
「ゾウの大きさにびっくりしました」
同じ景色を見た者同士だからこそ、共有できる感動。
ツアーの良さは、こういう時間にもあります。
ボートサファリ
昼食後は、ホテルの船着き場からボートに乗り込みます。
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今度は水上からのサファリ。
川をゆっくり進むと、岸辺にカバの姿が見えました。
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水面から顔を出し、じっとこちらを見ています。
ときおり大きな口を開ける。
その迫力に思わず息をのむ。
ワニも水辺に横たわり、まるで岩のように動きません。
水上から見る動物たちは、陸路とはまた違う表情を見せます。
夕方の光が水面に反射し、景色が少し柔らかくなっていきます。
大地と水辺。
一日で二つのサファリを体験できる贅沢。
ビクトリアフォールズへ戻る
ボートサファリを終え、再びバスでビクトリアフォールズへ。
約2時間の移動。
窓の外の景色をぼんやりと眺めながら、今日一日の出来事を思い返します。
ゾウの群れ。
ライオンの静かな存在感。
カバの大きな口。
夢のような時間でした。
旅最後の夜
ホテルに戻り、夕食はホテル近くのレストランへ。
ショーを見ながらのブッフェスタイル。


音楽が鳴り、ダンサーがリズムに合わせて踊ります。
旅行最後の夕食。
自然と、少し寂しい気持ちがこみ上げてきます。
テーブルでは、ツアー客の皆さんと笑いながら食事を楽しみました。
フェイスペインティングをしてもらい、
太鼓を叩いてみたり。
会場はとても賑やかで、笑い声が絶えません。
旅の終わりに、こんなに温かい時間が待っているとは思いませんでした。
早めの就寝
ホテルに戻ると、さすがに疲れが出ました。
シャワーを浴び、ベッドに横になります。
目を閉じると、今日見た動物たちの姿が浮かびます。
アフリカの大地で出会った命。
あと一日で、この旅も終わり。
少し名残惜しさを感じながら、
静かに眠りにつきました。
野生の鼓動が、まだ胸の奥で響いているようでした。


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