⑩ 7日目前半|中世都市タリンをじっくり堪能と石畳の街とカフェで過ごす穏やかな一日

ツアー旅行体験談

昨晩の添乗員さん提案のタリン・ディナーはとても心惹かれましたが、
疲れていた私はホテルでゆっくり休むことを選びました。
結果的にそれが大正解。ぐっすり眠れたおかげで、翌朝はすっきりとした気分で目覚めました。


朝のタリン|静かなレストランで迎える一日の始まり

朝食レストランは空いていて静か。壁の「食欲(Itadakimasu?)」に思わず笑ってしまいました。

6:30にホテルの朝食レストランへ。
この日は人も少なく、ゆったりと朝の時間を過ごせました。
品数も豊富で、パンやチーズ、サラダ、温かいスープまで揃っています。
壁には各国語で「召し上がれ!」と書かれており、日本語の部分が「食欲」となっていて思わず笑ってしまいました。

ドリンクコーナーには紙製のカップが置かれており、食後にコーヒーや紅茶を部屋に持ち帰ることができます。
旅の最終日が近づいていることを感じながら、静かな朝を味わいました。

スーツケースを持って8:50にロビー集合。
チェックアウトを済ませ、荷物をホテルに預けました。
この日はタリン観光と午後の自由行動、そして夜には空港へ向かいます。
現地ガイドさんと合流し、世界遺産「タリン歴史地区」観光のスタートです。


トームペアの丘から始まる歴史散歩

まず見えてきたのはトームペア城ののっぽのヘルマン塔
青い空を背景にそびえる姿は凛として美しく、エストニア国旗が風にはためいていました。
城壁沿いの坂道を登りながら、かつての防御都市の名残を感じます。

エストニア国旗がはためくトームペア城。
青空に伸びる“のっぽのヘルマン”が印象的でした。

トームペア城は現在、エストニア議会の議事堂として利用されているそうです。
すぐ向かいには、ロシア正教会のアレクサンドル・ネフスキー聖堂が。
丸いドームと黒い屋根のコントラストが印象的で、タリンを象徴する美しい建物です。
ミサの最中でしたが、静かに中へ入らせていただきました。
写真撮影は禁止でしたが、柔らかな灯りに包まれた内部の装飾がとても印象的で、思わず手を合わせて祈りの時間を過ごしました。

黒いドームと白い外壁が美しいアレクサンドル・ネフスキー聖堂。中は静寂と祈りの空間でした。

次はタリンの大聖堂(トームキリク)へ。
外観だけの見学でしたが、白い壁と尖塔が美しく、歴史を感じさせる雰囲気に心が静まります。


コフトウッツァ展望台|『魔女の宅急便』の街を見下ろして

続いて向かったのは、今回の旅でとても楽しみにしていたコフトウッツァ展望台
ここから見えるタリン旧市街の屋根並みは、まるでおとぎ話の世界そのものです。
オレンジ色の屋根と石畳の街並みがどこまでも続き、
「魔女の宅急便のモデルになった街」と言われるのも納得。

コフトウッツァ展望台から見下ろす旧市街。
赤い屋根が並ぶ風景はまるで絵本の世界。

幸い雨も降らず、柔らかな秋の光が街を包んでいました。
この旅で一番多くシャッターを切った場所かもしれません。

展望台を後にして、ショートレッグゲートロングレッグゲートを見学。
上を見上げると、先ほどいた展望台が見えました。
方向音痴の私は早くも頭の中が「?」でいっぱい(笑)。
自由行動の時はGoogleマップを頼りにしようと決意しました。

ショートレッグゲート
城壁沿いの坂道。上を見ると、先ほどの展望台が小さく見えます。

中世の面影をたどって|アーチの道とギルドの建物群

ガイドさんに続いて歩くと、石畳の通り沿いに中世のギルド(同業組合)に関わる建物が並んでいます。
それぞれの建物が異なる時代や職業の歴史を語るようで、まるでタイムスリップしたよう。

途中、可愛らしい名前の建物「三人姉妹(Three Sisters)」も登場。
壁の淡い色合いが並ぶ姿は本当に仲の良い姉妹のようです。

三つ並んだ外観が仲良し姉妹のよう。時代を超えて佇む可愛い建物です。

さらに進むと、歴史あるカフェ「Maiasmokk Café(マイアスモック カフェ)」を発見。
創業1864年、タリン最古のカフェで、マジパン職人の作業風景を見学できることでも有名です。
自由時間にぜひ行こうと、心にメモを残しました。

タリン最古のカフェ「Maiasmokk Café」。外観からすでにノスタルジックな雰囲気。

ラエコヤ広場と聖ニコラス教会|中世の中心へ

街の中心、ラエコヤ広場に到着。
色とりどりの建物が並び、まさに中世の広場という言葉がぴったり。
旧市庁舎の尖塔が青空に映えています。
ヨーロッパ最古の薬局もあり、内部には昔の薬瓶や秤が展示されていました。
クリスマスマーケットの準備が少しずつ始まっており、木製の屋台の土台が組まれていました。
雪景色の中で訪れてみたいなと想像が膨らみます。

カラフルな建物に囲まれたラエコヤ広場。まさに中世の街の中心です。

次に向かったのは聖ニコラス教会
中は博物館として公開されており、チケットはツアー代金に含まれていました。
クロークに荷物を預け、静かな空間に足を踏み入れます。
展示されていた宗教画の中で、特に印象的だったのは「死のダンス」。
人間の平等を象徴する中世ヨーロッパのモチーフで、どこか儚くも力強いエネルギーを感じました。

聖ニコラス教会。
内部は美術館として公開され、ツアー代金にチケットが含まれていました。

教会の塔にも登ることができ、そこからの眺めは圧巻。
赤い屋根が一面に広がり、遠くに港町らしい風景が見えました。
タリンの街の魅力を上からも下からも堪能できる贅沢な時間です。

聖ニコラス教会の塔から望むタリン旧市街。
オレンジ色の屋根が広がる絶景です。

自由行動スタート|カタリーナ通りから城壁の上へ

観光を終えて、ここからは待ちに待った自由行動。
一人参加の5名で声をかけ合い、一緒に回ることにしました。

まずはラエコヤ広場に戻って、ヨーロッパ最古の薬局を再訪。
中は小さな博物館のようになっていて、
同行者の方々がリップクリームを購入されていました。
私は見るだけでしたが、ガラス瓶の並ぶ様子が素敵で、時間を忘れて眺めていました。

次は「城壁を歩いてみたいね」という話になり、
カタリーナ通りを抜けて「Hellemann Tower and Town Wall Walkway」へ。
Googleマップが大活躍です。
入場料は4ユーロ(現金のみ)。急な螺旋階段を登ると、城壁の上からタリンの街を見渡せました。
風が心地よく、旅の終盤にぴったりの散歩コースです。

城壁の上を歩きながら、タリンの街を見渡します。風が心地よく吹き抜けていきました。

甘い香りに誘われて|念願のマイアスモック・カフェへ

通りを歩いていると、中世の衣装を着た男女がアーモンド菓子を販売していました。
香ばしい甘い香りに誘われて、思わず購入。6ユーロのアーモンド菓子は袋も可愛く、お土産にもぴったりです。

香ばしい甘い香りに誘われて購入。6ユーロのアーモンド菓子は袋まで可愛かったです。

そしていよいよ、念願のマイアスモック・カフェへ。
落ち着いた木の内装とアンティークの家具が並ぶ店内。
レジで注文してから席に座るスタイルで、私はチョコレートケーキ(5.7ユーロ)とカフェオレ(4.5ユーロ)を選びました。
甘すぎない上品なケーキと、香ばしいコーヒーの香り。
旅の疲れがふっと抜けていくような癒しの時間でした。

落ち着いた雰囲気の店内でチョコレートケーキとカフェオレ。旅の締めくくりにぴったりのカフェタイム。

おわりに|タリンの街に流れる中世の息吹

石畳を歩く靴音、古い塔に吹く風、カフェで流れるピアノの音。
タリンはどこを切り取っても絵になる街でした。
この後は、バルト駅市場での買い物と空港への出発。
いよいよ旅も終盤へ向かいます。


✈️ 次回は
⑪「旅の終盤と帰国の途へ|タリン市場とワルシャワ経由の夜」へ続きます。

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