轟音と水しぶき、空と虹のあいだで
朝6時45分、まだ少し眠気の残る体でホテルを出発しました。
今日はケープタウンを離れ、ジンバブエへ。目的は、世界遺産ビクトリアの滝です。
砂漠、海、そして今日は滝。
同じ旅の中で、こんなにも景色が変わるのかと、自分でも驚きます。
バスでケープタウン空港へ向かい、9時45分発のエアリンク(Airlink)4Z-0390便でビクトリアフォールズへ。飛行時間は約2時間55分。機内では軽食が1回提供されました。

離陸後しばらくして、窓の外にテーブルマウンテンが見えました。
昨日は霧で何も見えなかった山頂。上空からは、その平らな形がはっきりと分かります。

「昨日はあの上に立っていたんだな」
そう思うと、不思議な気持ちになりました。
旅は、点ではなく線でつながっていく。
ジンバブエへ入国
ビクトリアフォールズ空港に到着。
まず待っていたのは、長蛇の列。
入国審査に並びながら、じわじわと暑さを感じます。
パスポートを握りしめ、順番を待つ時間もまた旅の一部。
無事に入国を終え、スーツケースをピックアップ。現地ガイドさんと合流し、バスで滝へ向かいます。
空から見る世界三大瀑布
午後3時頃、滝を上空から見るために飛行場へ向かいました。
15分間のヘリコプター遊覧飛行。
実は、人生初のヘリコプター。


少し緊張していましたが、乗り物酔いすることもなく、安心して楽しむことができました。
ヘリがふわりと浮き上がると、眼下に広がる大地。
そして、やがて見えてきた巨大な水のカーテン。

ビクトリアフォールズ。
空から見ると、そのスケールがよりはっきりと分かります。
幅およそ1.7キロメートル。
まるで大地が裂け、その隙間に水が吸い込まれていくよう。
轟音は上空まで届きませんが、白い水煙が立ち上り、滝の存在感を強く伝えてきます。
地上から見るのとはまったく違う表情。
空からの景色は、圧倒的でした。
ずぶ濡れ覚悟の滝観光
ヘリ遊覧を終えた後は、陸路で国境を越え、ザンビア側から徒歩で滝を観光します。
国境をまたぐというだけで、少しわくわくします。
パスポートを持って再び入国審査へ。
ザンビア側の入国審査官はとても明るく、陽気な方でした。
「コンニチハ」「アリガトウ」と片言の日本語で話しかけてくれます。
緊張していた気持ちが一気にほぐれました。
国境というと厳かな雰囲気を想像していましたが、どこか温かい空気が流れていました。
建物の外に出ると、ジンバブエのハイパーインフレ紙幣が売られていました。
かつて天文学的な数字が印刷された紙幣。
歴史の教科書で見たことはありましたが、実物が目の前にあると不思議な感覚になります。
私は購入しませんでしたが、
「これもこの土地の歴史の一部なのだな」と感じながら、しばらく眺めていました。
そして、再び滝へ向かいます。
事前に「ずぶ濡れ必須」と聞いていたので、マリンシューズとレインコートに着替えました。
歩き始めてすぐに、水煙が舞い上がっているのが分かります。
近づくにつれ、音が大きくなる。

ゴォォォォ……という地鳴りのような音。
視界に入った瞬間、思わず息をのみました。

水量の迫力がすごい。
ただ“きれい”という言葉では足りない。
自然の力そのもの。
水しぶきが容赦なく降りかかります。
レインコートを着ていても、顔や足元はびしょ濡れ。
でも、不思議と寒くありませんでした。
むしろ、気持ちいい。
暑い気候の中で浴びる水しぶきは、爽快でした。
そして、ふと視線を上げると、滝の前に虹がかかっていました。
白い水煙と青空、その間にかかる虹。
しばらく、言葉を失いました。
世界三大瀑布
これで私は、世界三大瀑布のうち二つを訪れたことになります。
ナイアガラフォールズ、そしてビクトリアフォールズ。
どちらもそれぞれに違う魅力がありました。
ナイアガラは整備され、近代的な観光地。
ビクトリアはよりワイルドで、自然のままの力強さを感じます。
残るはイグアスの滝。
いつか、三つ目を訪れる日が来るのだろうか。
旅の“次”を思い描く瞬間でもありました。
ビクトリア大橋
滝の観光を終えた後、ビクトリア大橋を歩いて渡りました。


ジンバブエとザンビアをつなぐ橋。
橋の上から眺める渓谷と滝の水煙。
そして、少し傾き始めた太陽。
夕日がゆっくりと空を染めていきます。

水の轟音と、静かな夕焼け。
対照的な景色が心に残りました。
エレファント・ヒルズ・リゾート
橋を渡り、バスで二連泊する「エレファント・ヒルズ・リゾート」へ。


名前の通り、アフリカらしい雰囲気のある素敵なリゾートホテル。
広々とした敷地、開放的なロビー。
部屋に入ると、窓の外に猿の姿が見えました。
自然がすぐそこにある。
でも、怖がりな私はベランダに出る勇気が出ませんでした。
「部屋の中から眺めるだけで十分」と、自分に言い聞かせます。
屋外ビュッフェとショー
夕食はホテル近くのレストランで、ショーを見ながらの屋外ビュッフェ。
アフリカ音楽が流れ、ダンサーがリズムよく踊ります。
テーブルにはたくさんのお肉料理。
牛肉、鶏肉、そして見慣れない種類も。

私は食べませんでしたが、ワーム(虫)もありました。
「食べると証明書がもらえる」とのこと。
挑戦する人を見守りながら、私はそっと見送りました。
こういう体験も、アフリカらしさの一つ。
旅の終わりが近づく
部屋に戻ると、どっと疲れが押し寄せました。
あと二日で観光も終わり。
ナミブ砂漠の赤、ケープタウンの青、そして今日の白い水煙。
いろいろな色が頭の中に浮かびます。
名残惜しい。
旅は、始まる前は長く感じるのに、
始まってしまえばあっという間。
シャワーを浴び、ベッドに横になります。
明日も早朝出発。
滝の轟音が、まだ耳の奥に残っているようでした。
そして、静かに目を閉じました。

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