【5】4日目:世界遺産ニサ遺跡

ツアー旅行体験談

■ 砂漠の朝焼けと、冷え込むユルトの朝

砂漠の静寂に包まれた夜をユルトで過ごし、迎えた4日目の朝。日の出は6時前とのことで、私たちは5時30分頃に起床しました。外へ出ると、すでに東の空が淡いピンク色に染まり始めていて、「日の出は見れなくても、この朝焼けが見られただけで十分だね」と、旅友と静かな時間を過ごしました。

砂漠の朝焼け。日の出前の静かな空気の中、空が少しずつピンク色に染まっていきました。

砂漠の朝は思いのほか冷え込み、薄手のダウンジャケットとフリースを持ってきた自分を褒めたいほどの寒さ。昨夜の炎の熱気を肌で感じていたのが嘘のように、砂漠は昼夜の気温差が大きいのだと改めて実感しました。

■ 簡単な朝食をとって、悪路を4時間かけアシュガバードへ

7時には簡単な朝食をいただき、8時にキャンプを出発。ここからは、アシュガバードに戻るために再び悪路を約4時間走ります。

朝食はパン・卵・フルーツなどの簡単なセット。砂漠の朝にじんわり染みました。

途中、2回トイレ休憩がありました。道端にはヤギやラクダがのんびり歩いていて、どこかのんびりとした朝の農村風景を眺めながらの移動でした。

市街地が近づくと一気に建物が増え、白い大理石の街並みが再び視界に広がります。四輪駆動車からバスに乗り換え、アシュガバード中心部へ。砂漠の大自然から、突然未来都市のような白い街へ戻ってくるこのギャップが、トルクメニスタンならではの魅力かもしれません。

■ トルコ料理レストラン「Mado」でランチ

― 美味しい料理と、猫ちゃんが迷い込む癒しの時間

昼食は、アシュガバードで人気のトルコ料理レストラン「Mado」へ。清潔感のあるモダンな店内でいただいたのは、

  • チキンスープ
  • 羊のチーズサラダ
  • 牛肉のグリル(バターソース)
  • バクラヴァ(トルコ風菓子)

どれも優しい味で、朝から砂漠の悪路を走って疲れた胃がほっとするようなランチでした。

そして、可愛いハプニングも。食事中に1匹の猫ちゃんが店内に迷い込み、テーブルの間をスルスルと歩き回っていました。旅の疲れがふっと抜けるような癒しの時間になりました。

● 期待していた“メロン”はまだ季節前

トルクメニスタンはメロンの名産地。しかし訪れた5月はまだ時期ではなく、メロンには出会えませんでした。その代わり、レストラン隣のアイスクリーム屋さんで“メロンアイス”を購入。濃厚で美味しかったですが、7ドル(約1120円)というお値段に「高い!(笑)」とツアー仲間と盛り上がりました。

7ドル(約1120円)にびっくりしつつ、旅の記念に一口。

■ ホテルに戻り休憩後、午後は世界遺産めぐりへ出発

昼食後は一度ホテル「HOTEL YYLDYZ(ホテル・ユルディズ)」に戻り、14時頃まで休憩。
砂漠泊明けの体をゆっくり休める貴重な時間でした。

15時、再びバスに乗り午後の観光へ。いよいよこの日のメイン、世界遺産ニサ遺跡へ向かいます。


■ 世界遺産ニサ遺跡

― パルティア王国の歴史が深く眠る地へ

アシュガバード郊外にある世界遺産ニサ遺跡は、パルティア王国(紀元前3世紀〜3世紀)の最初の都があった場所。

世界遺産ニサ遺跡の入口。
パルティア王国発祥の地へ足を踏み入れます。

建物はすべて“土”でできており、二千年以上前の壁や構造が現在も残っているというだけで圧巻の歴史を感じます。

ガイドさんに案内されながら、

  • かつて行政施設があった場所
  • 黄金の宝物が見つかった建物
  • 食糧庫だったとされるエリア

などを歩きます。

ニサ遺跡の土造建築。
二千年以上前から残る壁が当時の生活を物語ります。

夕方の光の中、風が壁を撫でる音だけが聞こえる遺跡の空間。
「ここで昔の人はどんな暮らしをしていたのだろう」と想像しながら歩く時間は、とても贅沢でした。

● 日差しが強いので、日焼け対策は必須

夕方とはいえ、トルクメニスタンの日差しは想像以上。
私がしていた日焼け対策は、

  • サングラス
  • スカーフで首を覆う
  • UVカットパーカー
  • 日焼け止めをこまめに塗る

強い乾燥と日差しの中の観光には、本当に欠かせないアイテムでした。


■ エルトルグルル・ガズィ・モスク

― 白大理石が輝く、荘厳で美しいアシュガバードの象徴

次に訪れたのは、アシュガバード市内で最も美しいと言われる
エルトルグルル・ガズィ・モスク

白大理石に金色の装飾。アシュガバードの象徴ともいえる、美しいモスク。
内部は静謐な祈りの空間。アラベスク模様と柔らかな光が幻想的。

外観は白大理石と金色の装飾で輝いており、内部は静謐で神聖な空気が漂っています。
最大5000人が同時に祈りを捧げられる広さで、天井のライト、アラベスク模様、繊細な彫刻がとても印象的でした。

「ここだけで写真をいくら撮っても足りない…」と感じるほど、美しさが詰まったモスクです。


■ ロシアバザール(グルスタンバザール)

― 野菜・フルーツ・キャビアまで揃う活気ある市場

最後の訪問地は、アシュガバードの生活を垣間見られるロシアバザール
新鮮な野菜、色とりどりのドライフルーツ、スパイス、キャビアまで揃う活気に満ちた市場です。


■ 民族舞踊ショー付きディナーで締めくくる一日

夕食は民族舞踊のショー付きレストランへ。伝統的な衣装をまとったダンサーたちの華やかな踊りを眺めながらいただいたのは、

  • ウナシュ(ヌードル入りスープ)
  • お肉と南瓜のマンティ
  • ほうれん草と南瓜のサモサ
  • サラダ
  • フルーツ

…のほかにも数種類の料理が次々と運ばれてきて、テーブルが賑やかになるほどのボリュームでした。
写真を撮るのも追いつかないくらい、気前よく提供される料理に驚きつつ、旅友と「食べきれないね…(笑)」と話しながら美味しくいただきました。食事とショーが同時に楽しめる、とても贅沢な時間でした。

食後はバスを降りて、高さ60mのマグティムグリ像や、アシュガバードの結婚式場エリアのライトアップを鑑賞しました。

特に結婚式場は圧巻で、
白 → 赤 → 緑 → 青
と、建物全体のライトアップが次々に色を変えていき、まるでショーを見ているかのような華やかさ。白大理石の建物が色を反射して輝き、幻想的という言葉がぴったりの美しさでした。

「さっき砂漠にいたとは思えないね…」と旅友と驚きながら、写真を撮る手が止まりませんでした。アシュガバードの夜景は、昼間とは全く違う表情を見せてくれます。

高さ60mのマグティムグリ像。夜のライトアップは圧巻の存在感。
結婚式場エリアのライトアップ。まるでテーマパークのように美しい光の建物。

22時頃ホテルに戻り、この日はゆっくり休むことにしました。
明日は世界遺産メルヴ観光へ。旅のハイライトが続きます。

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