タンザニア旅行記|6日目 ザンジバル島へ

ツアー旅行体験談

セレンゲティ最後の朝

6日目の朝は6時に起床。まだ薄暗いロッジの部屋で荷造りを済ませ、6時半頃に荷物を部屋のドアの前に出しました。これはツアーならではの便利なシステムで、スタッフが運んでくれるのでとても助かります。身軽になって昨日と同じレストランへ向かい、ビュッフェスタイルの朝食をとりました。種類豊富なパン、卵料理、フルーツにヨーグルト。連泊でメニューは似ていましたが、旅の朝はどれも格別に美味しく感じられました。

7時45分、ホテルを出発。今日はいよいよサバンナを後にし、インド洋に浮かぶリゾート・ザンジバル島へ向かいます。その道中も最後のサファリを楽しめるとあって、胸の高鳴りを抑えられませんでした。


セロネラ空港までの最後のサファリ

サファリカーは赤土の道を進みながら、キリンやシマウマの姿を見せてくれました。首を高く掲げて木の葉を食べるキリン、列をなして草原を歩くシマウマ。これが本当に最後かと思うと名残惜しく、目に焼き付けるように見送りました。

9時半頃、セレンゲティ・セロネラ空港に到着。そこは小さな青空空港で、建物というよりもシンプルな待合所がある程度。開放感のある風景に「これぞアフリカの空港」という雰囲気が漂っていました。空港の手前で現地ガイドさんとお別れ。数日間、私たちを安全にサファリへと案内してくれたガイドさんと記念写真を撮り、感謝の気持ちを込めて握手を交わしました。


小さな飛行機でザンジバル島へ

空港に入ってセキュリティチェックを抜け、スーツケースを預けます。搭乗までの時間にザンジバルのエントリーカードを記入。入国手続きの一環で、こうした細かな作業も旅の一部だと感じます。

予定より少し遅れて11時半頃に搭乗開始。飛行機はプロペラ機で、搭乗口から歩いて機体へ向かいます。機内はこぢんまりとしていて、サファリの余韻に浸る私にはかえって心地よく感じました。飛行時間は約1時間半。途中でお水とクッキーの軽いサービスがあり、空を飛ぶ小旅行のようでした。

約50分遅れの13時20分頃、ザンジバル島に到着。到着後、パスポートとタンザニアビザ、そしてエントリーカードを係員に提示し、無事に入国完了。ターンテーブルでスーツケースを受け取り、新しいガイドさんと合流しました。バスに乗り込み、まずはストーンタウンへ向かいます。


ザンジバル空港の到着風景

ストーンタウンでの昼食

最初の目的地は海沿いのレストラン「Travellers Cafe」。テラス席で食事をいただきました。真夏のような暑さでしたが、海風が心地よく、潮の香りが食欲をそそります。セレンゲティでのサファリとはまったく異なるリゾートの雰囲気に、一気に気持ちが切り替わりました。

昼食「Travellers Cafe」

昼食後は、宿泊ホテルであるパークハイアット・ザンジバルに立ち寄り、トイレ休憩。大理石調の落ち着いた空間で、これからの観光に向けて気持ちをリフレッシュしました。


世界遺産ストーンタウンを散策

15時半頃から、世界遺産にも登録されているストーンタウンの観光がスタート。

まず訪れたのは「オールドフォート(旧砦)」。古い石造りの要塞は歴史を感じさせる佇まいで、ちょうどフェスティバルの準備が進められており、会場は賑わいの予感に包まれていました。

オールドフォート(砦)の内部

次に向かったのは「アングリカン大聖堂」と旧奴隷市場跡。奴隷制度の歴史を学ぶ場でもあり、学生時代に観たアメリカのドラマ「ルーツ」が頭をよぎり、胸が痛くなりました。目の前の遺構を見ていると、当たり前のように自由に暮らしている自分の生活のありがたさを、改めて深く考えさせられました。

その後はスパイスマーケットやフィッシュマーケットを散策。活気ある市場の空気を味わいながら、会社の同僚へのお土産にキリマンジャロコーヒーを購入しました。香ばしい香りが袋から漂い、帰国後のコーヒータイムを想像して嬉しくなります。


フレディ・マーキュリーの故郷で

観光後はホテルにチェックイン。パークハイアット・ザンジバルはリゾートらしい雰囲気漂う素敵なホテルで、部屋に入った瞬間、旅の疲れがふっと軽くなるようでした。

パークハイアット・ザンジバル 部屋

夕食までの2時間ほど、旅友とお土産屋さん巡りに出かけました。ザンジバル島はイギリスのロックバンド「クイーン」のフレディ・マーキュリーが生まれた場所でもあります。生家は博物館となっており、前で記念撮影。お土産屋ではフレディ・マーキュリーのTシャツを見つけ、前面には彼の顔、背面には「…having a good time」とプリントされていました。旅友と「これだ!」と即決し、旅の記念にお揃いで購入。夕食はこのTシャツを着て出かけることにしました。

フレディ・マーキュリーの生家(博物館の外観)

和やかな夕食と夜のひととき

レストランに入ると、案の定「どこで買ったの?」とフレディ・マーキュリーTシャツが話題に。ツアー仲間との距離が一気に縮まり、和やかな雰囲気で食事が始まりました。

この日の夕食はビュッフェではなく、コース料理。なんと約14種類もの料理が順番にサーブされ、次から次へと運ばれてきます。前菜からメイン、デザートまで、どれも工夫が凝らされていて、海沿いのリゾートらしい味わい。最初は全種類制覇しようと意気込んだものの、途中でお腹がいっぱいになり、すべては食べきれませんでした。それでも、スタッフのホスピタリティと美味しい料理に囲まれたひとときは忘れられない時間となりました。


振り返って

サファリ尽くしのセレンゲティを離れ、舞台は一気にリゾートアイランド・ザンジバルへ。野生動物の躍動から、歴史の重み、そしてフレディ・マーキュリーゆかりの街歩きまで。たった一日でこれほど多彩な体験を詰め込めたのは、ツアーならではだと思います。

サバンナの大自然からインド洋の潮風へ。旅の大きなギャップに驚きつつも、どちらもタンザニアの魅力であることを実感しました。明日はついに観光最終日。名残惜しさを感じながらも、最後まで目いっぱい楽しもうと心に誓って眠りにつきました。

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