2025年9月末、私は会社を退職しました。
長い間「安定」を優先して働いてきましたが、心と体のバランスが少しずつ崩れていくのを感じていました。
毎日あわただしく時間に追われながら、どこかで「このままでいいのかな」と思う自分がいたのです。
そして今、ようやく一息つける場所に立っています。
この記事では、私が退職を決意した理由と、FIRE(経済的自立)を目指して歩き出した現在のことをまとめました。
同じように働き方や生き方に悩んでいる方に、少しでも参考になれば嬉しいです。
健康診断での異変が、人生を見つめ直すきっかけに
退職のきっかけは、去年の健康診断でした。
婦人科系の病気が見つかり、しばらく通院が必要に。
それまで「健康だけがとりえ」と思っていた私にとって、衝撃的な出来事でした。
会社を出たあと、駅までの道をぼんやり歩きながら思いました。
——このまま同じ生活を続けていたら、心も体も壊れてしまうかもしれない。
今思えば、疲れはずっと前から溜まっていたのだと思います。
朝4時に起き、満員電車に揺られて片道2時間の通勤。
仕事中は常に時間との戦いで、気づけば一日が終わっている。
家に帰るころには何もする気力がなく、夕食もそこそこに眠るだけの日々。
「頑張るのが当たり前」と思っていたけれど、心のどこかで限界を感じていました。
それでも「もう少しだけ」と自分を奮い立たせていたのは、責任感と惰性。
だけど、病気という現実を突きつけられて初めて、立ち止まる勇気が出た気がします。
通勤4時間、朝4時起き。限界を感じた働き方
一時は「時短勤務」に切り替えてみました。
少しは楽になるかなと思ったのですが、通勤や職場の環境が変わらない限り、ストレスは消えませんでした。
朝の電車では、人の多さに息苦しさを感じる日もありました。
会社に着く頃には、もう一仕事終えたような疲労感。
夜は帰宅しても頭の中が仕事のことでいっぱいで、心のスイッチを切ることができませんでした。
「働いているのに、生きていないような気がする」
——そう感じたのは、この頃だったと思います。
それでも、生活のために辞める勇気は出ませんでした。
「今辞めたらもったいない」「もう少し頑張れるはず」と言い聞かせていた日々。
でも、体と心が「もう限界」とサインを出していたんだと思います。
コロナ禍で気づいた「在宅勤務の快適さ」
コロナの緊急事態宣言で一時的に在宅勤務になりました。
その数か月は、私にとって働き方を考え直す大きな転機でした。
朝の時間にゆとりができ、久しぶりに自分でゆっくりコーヒーを淹れました。
好きな音楽を流しながら仕事をする。
昼休みには窓から差し込む光を感じながらストレッチをする。
「これだ」と思いました。
同じ仕事でも、働く環境が変わるだけで、心の余裕がまったく違う。
自分のペースで働ける時間の心地よさを知ってしまった私は、もう以前の生活には戻れませんでした。
この経験を通じて、「FIRE(経済的自立・早期リタイア)」という考え方を初めて意識しました。
“完全に働かない”のではなく、“働き方を自分で選ぶ自由”を持つ生き方。
その言葉が、私の胸にすっと入ってきたのです。
不器用な私だからこそ、「今」行動すると決めた
本当は、副業が軌道に乗ってから退職するのが理想的です。
でも、不器用な私は“本業と副業の両立”がうまくできませんでした。
どちらも中途半端になってしまい、結局疲れてしまう。
そんな自分を責めるより、「まずは生活をリセットしよう」と思うようになりました。
そして、「サイドFIREを目指すなら今しかない」と思い切って会社を辞める決意をしました。
もちろん、不安がなかったわけではありません。
これまでの安定した収入を手放すのは、勇気のいることでした。
けれど、迷っている間に時間は過ぎていく。
“完璧なタイミング”なんて、きっと一生こない。
私は、そう自分に言い聞かせて一歩を踏み出しました。
退職後の今|学びと準備で、次のステージへ
退職してからは、少しゆっくりとしたペースで生活を立て直しています。
今は週3勤務の仕事を探しながら、簿記3級とWebデザインの勉強を進めています。
そしてもうひとつ、私が大切にしている習慣があります。
それは週3日通っているキックボクシング。
最初は気分転換のつもりで始めましたが、今では「心のリセット時間」になっています。
サンドバッグを叩く音に合わせて汗を流すと、モヤモヤした気持ちがすっと軽くなる。
全身を使って思いきり動くことで、体だけでなく心まで整っていくのを感じます。
お金の知識を身につけること、そして自分の体をメンテナンスすること。
どちらも、FIREを目指すうえで欠かせない“自己投資”です。
朝の時間にコーヒーを飲みながらテキストを開き、午後はキックボクシングで体を動かす。
そんなリズムの中で、心地よい暮らしのリズムができてきました。
会社員の頃は「休みの日にやりたいことを詰め込む」生活だったけれど、
今は“やりたいことを軸に生活を組み立てる”感覚。
忙しいけれど、自分の意思で動いていることが嬉しいのです。
FIREを目指す人へ|まずは「自分の心の声」を聞いてほしい
FIREというと「早期リタイア」や「お金の自由」のイメージが強いですが、
私にとってのFIREは、“心の自由”を取り戻すことでもあります。
疲れ切った体と心を癒す時間を持つこと。
誰かに決められたスケジュールではなく、自分のペースで働くこと。
小さな幸せを感じられる余白を持つこと。
それが、私がFIREを目指す理由になりました。
たとえすぐに行動できなくても、「自分が本当に幸せになれる働き方って何だろう?」と立ち止まって考えてみてほしいです。
その小さな問いが、人生を大きく変える一歩になるかもしれません。
まとめ|会社を辞めて感じた“本当の自由”
会社を辞めた今、ようやく「自分の人生を生きている」と感じています。
不安もあるけれど、心の底にあるのは後悔ではなく“安堵”です。
もう無理をして笑う必要もない。
朝4時に起きて電車に押し込まれることもない。
今は、季節の移ろいを感じながら、自分のペースで生きています。
FIREは「働かないこと」ではなく、「自分の選択で働くこと」。
健康を取り戻し、心にゆとりを持ちながら暮らすことが、私にとっての“本当の自由”です。
これからも、旅や学びを通して、自分らしい生き方を形にしていきたい。
このブログでは、その過程を少しずつ綴っていきます。
会社を辞めたことは、終わりではなく——
“自分の時間を取り戻す旅のはじまり”でした。
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