昨晩の添乗員さん提案のタリン・ディナーはとても心惹かれましたが、
疲れていた私はホテルでゆっくり休むことを選びました。
結果的にそれが大正解。ぐっすり眠れたおかげで、翌朝はすっきりとした気分で目覚めました。
朝のタリン|静かなレストランで迎える一日の始まり


6:30にホテルの朝食レストランへ。
この日は人も少なく、ゆったりと朝の時間を過ごせました。
品数も豊富で、パンやチーズ、サラダ、温かいスープまで揃っています。
壁には各国語で「召し上がれ!」と書かれており、日本語の部分が「食欲」となっていて思わず笑ってしまいました。



ドリンクコーナーには紙製のカップが置かれており、食後にコーヒーや紅茶を部屋に持ち帰ることができます。
旅の最終日が近づいていることを感じながら、静かな朝を味わいました。
スーツケースを持って8:50にロビー集合。
チェックアウトを済ませ、荷物をホテルに預けました。
この日はタリン観光と午後の自由行動、そして夜には空港へ向かいます。
現地ガイドさんと合流し、世界遺産「タリン歴史地区」観光のスタートです。
トームペアの丘から始まる歴史散歩
まず見えてきたのはトームペア城ののっぽのヘルマン塔。
青い空を背景にそびえる姿は凛として美しく、エストニア国旗が風にはためいていました。
城壁沿いの坂道を登りながら、かつての防御都市の名残を感じます。


トームペア城は現在、エストニア議会の議事堂として利用されているそうです。
すぐ向かいには、ロシア正教会のアレクサンドル・ネフスキー聖堂が。
丸いドームと黒い屋根のコントラストが印象的で、タリンを象徴する美しい建物です。
ミサの最中でしたが、静かに中へ入らせていただきました。
写真撮影は禁止でしたが、柔らかな灯りに包まれた内部の装飾がとても印象的で、思わず手を合わせて祈りの時間を過ごしました。

次はタリンの大聖堂(トームキリク)へ。
外観だけの見学でしたが、白い壁と尖塔が美しく、歴史を感じさせる雰囲気に心が静まります。
コフトウッツァ展望台|『魔女の宅急便』の街を見下ろして
続いて向かったのは、今回の旅でとても楽しみにしていたコフトウッツァ展望台。
ここから見えるタリン旧市街の屋根並みは、まるでおとぎ話の世界そのものです。
オレンジ色の屋根と石畳の街並みがどこまでも続き、
「魔女の宅急便のモデルになった街」と言われるのも納得。


幸い雨も降らず、柔らかな秋の光が街を包んでいました。
この旅で一番多くシャッターを切った場所かもしれません。
展望台を後にして、ショートレッグゲートとロングレッグゲートを見学。
上を見上げると、先ほどいた展望台が見えました。
方向音痴の私は早くも頭の中が「?」でいっぱい(笑)。
自由行動の時はGoogleマップを頼りにしようと決意しました。


中世の面影をたどって|アーチの道とギルドの建物群
ガイドさんに続いて歩くと、石畳の通り沿いに中世のギルド(同業組合)に関わる建物が並んでいます。
それぞれの建物が異なる時代や職業の歴史を語るようで、まるでタイムスリップしたよう。
途中、可愛らしい名前の建物「三人姉妹(Three Sisters)」も登場。
壁の淡い色合いが並ぶ姿は本当に仲の良い姉妹のようです。

さらに進むと、歴史あるカフェ「Maiasmokk Café(マイアスモック カフェ)」を発見。
創業1864年、タリン最古のカフェで、マジパン職人の作業風景を見学できることでも有名です。
自由時間にぜひ行こうと、心にメモを残しました。
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ラエコヤ広場と聖ニコラス教会|中世の中心へ
街の中心、ラエコヤ広場に到着。
色とりどりの建物が並び、まさに中世の広場という言葉がぴったり。
旧市庁舎の尖塔が青空に映えています。
ヨーロッパ最古の薬局もあり、内部には昔の薬瓶や秤が展示されていました。
クリスマスマーケットの準備が少しずつ始まっており、木製の屋台の土台が組まれていました。
雪景色の中で訪れてみたいなと想像が膨らみます。

次に向かったのは聖ニコラス教会。
中は博物館として公開されており、チケットはツアー代金に含まれていました。
クロークに荷物を預け、静かな空間に足を踏み入れます。
展示されていた宗教画の中で、特に印象的だったのは「死のダンス」。
人間の平等を象徴する中世ヨーロッパのモチーフで、どこか儚くも力強いエネルギーを感じました。


教会の塔にも登ることができ、そこからの眺めは圧巻。
赤い屋根が一面に広がり、遠くに港町らしい風景が見えました。
タリンの街の魅力を上からも下からも堪能できる贅沢な時間です。


自由行動スタート|カタリーナ通りから城壁の上へ
観光を終えて、ここからは待ちに待った自由行動。
一人参加の5名で声をかけ合い、一緒に回ることにしました。
まずはラエコヤ広場に戻って、ヨーロッパ最古の薬局を再訪。
中は小さな博物館のようになっていて、
同行者の方々がリップクリームを購入されていました。
私は見るだけでしたが、ガラス瓶の並ぶ様子が素敵で、時間を忘れて眺めていました。
次は「城壁を歩いてみたいね」という話になり、
カタリーナ通りを抜けて「Hellemann Tower and Town Wall Walkway」へ。
Googleマップが大活躍です。
入場料は4ユーロ(現金のみ)。急な螺旋階段を登ると、城壁の上からタリンの街を見渡せました。
風が心地よく、旅の終盤にぴったりの散歩コースです。

甘い香りに誘われて|念願のマイアスモック・カフェへ
通りを歩いていると、中世の衣装を着た男女がアーモンド菓子を販売していました。
香ばしい甘い香りに誘われて、思わず購入。6ユーロのアーモンド菓子は袋も可愛く、お土産にもぴったりです。


そしていよいよ、念願のマイアスモック・カフェへ。
落ち着いた木の内装とアンティークの家具が並ぶ店内。
レジで注文してから席に座るスタイルで、私はチョコレートケーキ(5.7ユーロ)とカフェオレ(4.5ユーロ)を選びました。
甘すぎない上品なケーキと、香ばしいコーヒーの香り。
旅の疲れがふっと抜けていくような癒しの時間でした。
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おわりに|タリンの街に流れる中世の息吹
石畳を歩く靴音、古い塔に吹く風、カフェで流れるピアノの音。
タリンはどこを切り取っても絵になる街でした。
この後は、バルト駅市場での買い物と空港への出発。
いよいよ旅も終盤へ向かいます。
✈️ 次回は
⑪「旅の終盤と帰国の途へ|タリン市場とワルシャワ経由の夜」へ続きます。
  

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